日本の企業は、「安価な労働力」と「市場」を求めて、世界中に進出しています。
海外での生産
- 自動車の生産についてみると、1990年、2000年、2010年と国内生産台数は減少してきています。
- それにともなって、海外生産台数は増加しており、2010年には海外生産台数が国内生産台数を上回るようになりました。
- 増加している海外生産台数をみると、アジアにおける生産台数が、ヨーロッパ、北アメリカよりも多く増加しています。
国内市場の状況
- 企業が利益を多くあげるためには、入ってくるお金を増やす方法と、出ていくお金を減らす方法があります。
- 日本国内の経済成長が落ち着くと、国内での製品の販売数が伸び悩むようになりました。
- 日本の企業にとって、出ていくお金(コスト)を減らすことが重要になってきました。
安価な労働力
- 「安い賃金」で労働力を得られることから、日本企業はアジアに進出しました。
- アジアの国々は日本に比べて賃金が安く、製品を安く生産することができます。
- 現地の安い労働力を求めて進出し、おもに「機械工業」への設備投資額を増やしていく傾向にあります。
- かつては、韓国などへの進出がさかんでした。
- 経済成長にともない、韓国などの賃金水準が高くなってきました。
- より安い国を求めて、中国への企業進出が進みました。
- 現在では、ASEANの国々への企業進出が進んできています。
- 「労働コスト」が低い国ほど、日本の製造業が進出する割合が高くなっています。
市場として
- 進出先の国々は、「経済発展」によって国民の「購買力」が高まってきました。
- これは、アジア諸国の「一人あたりの国民総所得」の変化であらわされます。
- 製品の消費地として、今後さらに販売を拡大できる市場として期待されるようになりました。
- 進出先としては、人口が多く経済発展が期待できる地域が望ましいです。
- 企業は、進出先の国々が、現地で生産した「製品」を販売する大きな「市場」として今後も成長することを期待しています。
国内の問題
- 企業の世界進出が進むことによって、日本国内での雇用が減少するという問題があります。
- このような問題を「産業の空洞化」といいます。
アメリカへの企業進出
- アジア諸国だけでなく、アメリカなどにも日本企業は進出していきました。
- これは、「貿易摩擦」による対立を避けるためです。