裁判所(司法権)のしくみをまなびます。
裁判所の地位
- 司法権…国家権力のひとつ、裁判をおこなう権限。
(裁判所)
- 最高裁判所
- 下級裁判所…「高等裁判所」「地方裁判所」「家庭裁判所」「簡易裁判所」
裁判の制度
- 三審制…同一事件について3つの段階まで裁判を求めることができる制度。
- 控訴…第一審の判決に不服の場合、上級の裁判所に第二審をもとめること。
- 上告…第二審の判決に不服の場合に、さらに上級の裁判所に第三審をもとめること。
民事裁判
- 民事裁判…個人や団体の財産上の争いや、権利・義務をめぐる争いについての裁判。
- 原告…民事裁判において、裁判所に訴えた人。
- 被告…民事裁判において、訴えられた人。
- (訴訟)代理人…民事裁判において、原告と被告はともに「(訴訟)代理人」をおくことができる。
刑事裁判
- 刑事裁判…他人を傷つけたり、他人のものを盗んだりする犯罪を裁く裁判。
- 被疑者…罪を犯した疑いのある人。
- 検察官…「被疑者」を裁判にかけるかどうかを判断する。
- 被告人…「被疑者」が罪を犯した疑いが確実で、刑罰を科したほうがよいと「検察官」が判断した場合、検察官は被疑者を「被告人」として裁判所に訴える。
- 起訴…このように、被疑者を被告人として裁判所に訴えることを「起訴」という。
- 弁護人…刑事裁判において、被告人の権利を保護するための支援者・代弁者を「弁護人」という。
- 再審制度…無罪となる証拠が新たに発見されるなど、確定した裁判の判決に重大な誤りがあると疑われる場合に、裁判のやり直しが認められる制度。
司法権の独立
- 司法権の独立…すべての裁判官は「良心」に従って独立してその職権を行い、「憲法と法律」にのみ拘束される。
裁判官の身分は、以下の場合を除いて保障されている。
- 「心身の故障」のために職務を行うことができないと決定されたとき。
- 「公の弾劾」によるとき (国会議員による弾劾裁判)。
- 「国民審査」において、投票者の多数が罷免を可とするとき(最高裁判所裁判官にかぎる)。
違憲審査制
- 違憲審査権(違憲立法審査権/法令審査権)…裁判所がもつ、法律や行政機関の行為が憲法に違反していないかを判断する権限。
- 憲法の番人…「最高裁判所」は「違憲審査」の最終的な権限をもつことから、「憲法の番人」といわれる。
司法制度改革
- 裁判員〔制度〕…司法制度改革の一環として、2009年から開始された。
- 刑事裁判…裁判員制度が適用されるのは、重大な犯罪についての「刑事裁判」である。
- 第一審のみ…裁判員が参加するのは、地方裁判所でおこなわれる「第一審」のみである。